私たちはいつでもお手伝いをしたいと思っています。心配な事、不安なことがあれば、お話を聞きたいと思っています。

私は、遺伝カウンセラーとして働いている助産師です。


ダウン症のお子さんを授かったご家族に、日々の働きの中で感じていることを、お伝えできたらと思いながら、手紙を書いています。

ダウン症の赤ちゃんを迎えたばかりの方も、まだお腹の中にいる赤ちゃんがダウン症と分かった方もおられるかもしれません。わからない事ばかりの現実に直面して、先への不安、想像していたことへの違い、ギャップに戸惑いを持たれているかもしれません。


 ダウン症は21番目の染色体が3本あります。染色体の一部が欠けると、遺伝情報が不足して、必要なたんぱく質が不足する。逆に多過ぎても、たんぱく質が作られ過ぎ、合併症などが現れやすくなります。染色体異常の中で一番出生率が高いダウン症ですが、多くの場合、流産してしまい生まれてくることが可能なお子さんは20%位という報告があります。

染色体が1本多いという状況下でも、それを乗り越えるエネルギー、生きる力を持って、ダウン症のお子さんは、生まれてきます。生まれた時には、すでに大きな試練を乗り越えている事になります。本当にすごいですね。


 また、1組のカップルからは、様々な染色体、遺伝子の組み合わせができ、受精卵が同じ染色体の組み合わせを持つ確率は8兆分の1ということになります。実際には組換えという、2本の染色体が分離する前に手をつなぐように情報の交換をしあう組み換えがおきて遺伝情報が入れ替わりますから、パタ―ンはもっと増え、その数は70兆を超えるともいわれています。同じ親であっても、全く同じ遺伝子の組み合わせを持つ可能性はゼロになります。それは、世界中探しても同じ遺伝情報を持つ人、同じ人はいないということを意味します。

あなたもそしてお子さんも唯一無二の存在であり、世界にたった1人の大切な存在です。一人一人の生命、存在がどれほど大切なものかがわかりますね。


 ダウン症のお子さんは、特別なサポートが必要ですが、お一人おひとりが掛け替えのない大切な存在である事には変わりありません。私達は、特別なケアの必要なお子さんがどうすれば、幸せな時間・人生を家族と共に過ごすことができるのか、その為にはどのような援助ができるのかをいつも考えています。

もしも、あなたがお子さんを育てていくことに不安を持たれていたり、お子さんとの生活が難しいと感じられるようであれば、私たちはいつでもお手伝いをしたいと思っています。心配な事、不安なことがあれば、お話を聞きたいと思っています。

このHPのリンクの中には、あなたの力になってくれる情報が多く用意されています。あなたは、1人ではありません。不安な気持ちやどうしたらよいか悩むことがある時は、遠慮なく声をかけてください。一緒に考えていきましょう。


どうぞ、あなたとあなたのお子さんに、ご家族に、笑顔と幸せが訪れますように・・・

助産師/
認定遺伝カウンセラー