
代表あいさつ
こんにちは。UL316代表の船渡川鈴子です。私の娘は低体重児で生まれ、間もなくダウン症であることが分かりました。生後3ヶ月の時私たち夫婦が引き取り実子として育てています。彼女は、出会った瞬間から私たち家族の喜び、驚くほど人が大好きな社交性の持ち主、そしてワクワクするような未来を夢見させてくれる存在です。
UL316はダウン症を持って生まれた方々の尊さを伝えるボランティア団体として、身近な方々とアイディアを共有することから始まりました。私のつたない説明にも関わらず、共に活動したいと言ってくださる方々が現れ、時間やスキルや寄付金を捧げてくれました。多くの人々が無償で捧げてくださったものをつなぎ合わせながら、小さなアイディアは少しずつ今ある形になっていきました。2020年12月に団体名をUL316に決め、お祝いバスケットの制作とSNSでの情報発信を始めました。そして、2021年12月25日から正式にお祝いバスケットのお申し込みをホームページにて受け付けています。
ダウン症の赤ちゃんを授かったご家庭に無償でお祝いバスケットを贈るという働きは、アメリカにある非営利団体Jack’s Basketによって2014年に始まったものです。2020年6月にこの団体の創設者キャリッサ・カロールさんとの交流が始まり、今でも私たちの日本での活動をサポートしてくださっています。
UL316は、代表を含めて3名の役員、寄付者さま、ボランティアさまのご協力によって運営しております。UL316のお祝いバスケットを受け取った方、寄付してくださった方、ボランティアに参加してくださった方でご希望の方には、定期的にニュースレターを発行し、お祝いバスケットの贈呈状況、団体に寄せられたお手紙、会計報告等をお知らせします。
最後に、UL316の名前は、Unconditional Love(無条件の愛)のイニシャルと、聖書のヨハネの福音書3章16節に由来しています。
神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。
ヨハネの福音書3章16節a
クリスチャンになる前の私は、自分が障がいのある子どもの母になるとは想像もしませんでした。より正確に書けば、障がい者について私は無関心、無知だったのです。しかし、愛を知らずに生きていた私に、聖書は神様はすべての人を尊く造られ、愛してくださっているということを教えてくれました。それから、私の心は変えられていきました。
私たち夫婦が娘を養子縁組した理由は、神様の愛に他なりません。娘と出会ってから、私たちは数えきれないほどの祝福を娘を通して与えられてきました。UL316は彼女のおかげで始まった団体だとも言えます。「愛する」ことを選んだつもりで始まった旅が、こんなにも「愛される」旅になるなんて。日本全国にいらっしゃるダウン症のお子さんを授かったご家族が、UL316のお祝いバスケットと共に「予期せぬ、けれど本当に素晴らしい旅」を始めることができますように、心から願っております。
もしお祝いバスケットをお受け取りになり、また代表あいさつをお読みになって、聖書にご興味をお持ちになった方は、事務局メールにご連絡ください。聖書をプレゼントさせていただきます。
UL316代表 船渡川鈴子

役員会インタビュー
UL316の心臓部とも言える私たちの役員会。それを構成するハートフルな人たちにインタビューしてみました。

船渡川鈴子(以下、鈴子):改めて、UL316の役員になってくださってありがとうございます。ダウン症を持って生まれた赤ちゃんをお祝いするというアイディアを初めて聞いた時、どう思いましたか?
林朝美(以下、朝美):その様な働きがある事を知ってとても感動し、涙が出ました。私の中学、高校時代の友達の長男もダウン症だったと聞いても、何も出来ず、お子さんが大きくなってから話を聞いて共に泣く事しか出来ませんでした。ジャックスバスケットの話を聞いた時、そんな方達に、お子さんが生まれる前から力になることが出来ると嬉しく思いました。そして、日本でその様な働きをしたいと聞いた時、感銘を受け、また同時にダウン症の方とそのご家族にイエス様の愛を伝えることが出来ると、ワクワクしました。
京極ゆかり(以下、ゆかり):私は長男(38才―知的障がい)が4歳の時から育てました。今のようにネットで情報を得る術も無く何をどうしたら良いのか分からず、只々多動の男の子を追いかける日々でした。保健所、児童相談所、通所施設、幼稚園、入所施設、高校でサポートしてくださった方達やママ友の存在はとても大きく、今回UL316のアイディアを聞いた時、私が受けた恵みを少しでも多くの方に繋げることが出来たら素敵だなと思いました。
鈴子:朝美さんはダウン症の赤ちゃんのために、手間隙を惜しまず、とても可愛いベビーキルトを手芸ボランティアとして作ってくださっていますね。どんなことを考えながら作っていらっしゃいますか?
朝美:私の知っているダウン症の方々(鈴子さんの娘さん、娘のクラスメート、職場に来る患者さん、TVに出て来る方達)の顔を思い浮かべて、どんな親子が使ってくれるかな?また、私の娘、息子の赤ちゃんの頃も手作りのおくるみを何枚か作って寝かせたり、おしめを変えたり、遊ばせたり、色々なシーンで使っていたことなどを思い出しながら、決して上手ではありませんが、楽しんで作っています。
鈴子:朝美さんにとって、何が誰かのために時間や労力を惜しまずに与える力になっていますか?
朝美:イエス様の愛ですね。聖書にこんな言葉があります。
神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちをもつためである。
ヨハネの福音書3章16節
この言葉にある様に、イエス様から与えられた無償の愛をこんな私でも少しでもダウン症の子供たちやそのご家族に与えられるお手伝いが出来ればと、思います。また、今の新型コロナウィルスで日常生活が余りにも変わってしまった時代、家にこもって鬱々と何をして良いかわからない方がいたら、手芸ボランティアの活動に巻き込みたいとも思いました。とても気持ちが前向きになると思います。
鈴子:私が娘を引き取った時から、ゆかりさんは障がい児の子育てについて理解と経験のある心強い味方でした。息子さんを子育てした中でのエピソードを教えてください。
ゆかり:一人目の妹が産まれた時、話せない赤ちゃんは泣いて何をして欲しいかサインを送りますが、妹の身に何が起きているのか理解出来ない長男は“ママー!ママー!泣いてるぅー!”と自分も号泣していたのが 6年後、二人目の妹が産まれると一人目の妹の時の大人の行動を見て学習した長男は泣き出した妹に“チュッチュだよー”とおしゃぶりを口に入れベビーラックを揺らしてあげていたのでした。遅すぎて見逃しがちですが確実に成長している長男に感動?いえ、爆笑してしまいました。
鈴子:ゆかりさんは成人されたダウン症の方が住むグループホームでお仕事をされていますね。このお仕事を選ばれた理由を教えてください。
ゆかり:勤務している法人で成人の障がいを持った方の生活をお手伝いさせて頂いています。障がい者と言っても性格も癖も十人十色で何ら健常者と変わりません。利用者さんには数名のダウン症の方がいらっしゃいます。このお仕事は、私が選んだのでは無く神様が与えて下さったと思っています。初めての分野でしたが障がい者の支援なら長男で実践済み。躊躇なく始められました。
神様のなさることは、すべて時にかなって美しい。
伝道者の書3章11節
主の御計画は長男との出会いをUL316に繋げて下さいました。
鈴子:お二人が役員を引き受けてくださったことは、UL316の心に温かいものが巡っている証です!最後に、ダウン症の赤ちゃんを授かった方へメッセージをお願いします。
朝美:自分には力がないと思うことがあるかもしれません。私もそうです。そんな時、この聖書の言葉がいつも私に力を与えてくれます。
「わたし(神様)の恵みはあなたに十分である。わたし(神様)の力は弱さのうちに完全に現れるからである。」
弱いときにこそ、強さを与えてくださる神様にまた、教会や、周りの人に頼って、子育てを楽しんで頂けたらと思います。あなたは決して一人ではありません。いつも神様が共にいて下さいます。
ゆかり:とても成長が遅いのですが、私たちと時計の針の進み方が少し違うだけです。その子その子の持って生まれた穏やかな時の流れに合わせてみると、今まで見てきた風景と違う世界が見えてくると思います。
鈴子:ご回答ありがとうございました。
事務スタッフ紹介

寺内花蓮
「赤ちゃんやお母さんたちのために、喜んでいただくために、
お祝いバスケットを作っています」
事務局では、お祝いバスケットの受注や発送作業を毎週行っております。日本全国の手芸ボランティアさんから送られてくるアイテムの仕上げに、洗濯やアイロンがげもしています。毎月開かれているボランティアデーの準備や材料の発送も行います。常駐スタッフはおりません。全てボランティアスタッフによる活動です。