ご出産、心からおめでとうございます!!
赤ちゃんは、少し小さく産まれたでしょうか?合併症もあるでしょうか?
赤ちゃんは今を、今日を、一生懸命生きていると思います。そしてお父さん・お母さんとなったあなたも、一生懸命、この現実と向き合っておられると思います。
私は北海道の十勝、鹿追という小さな町に住んでいます。夫と、27歳の娘、高校1年生のダウン症の息子「和実(かずみ)」、和実の祖父も一緒です。

16年前、もしかしたら障がいをもって生まれてくるかもしれないと、漠然とした思いで妊婦の期間を過ごし、出産を迎えました。
「染色体異常の疑いがあります」早々医師から告げられ、1ヶ月を新生児集中治療室で過ごしました。「ただ生きていてほしい」それだけでした。
たった1つ染色体が多いだけでダウン症として生まれる。医師から見せられた3つの染色体の写真はあまりにも美しく、命の不思議を思いました。染色体に異常があれば殆どは流産するのに、それを乗り越えて生まれてきた!「全ての命は神様から来る。和実は神様に愛されている、和実に与えられた使命がある。」そう確信しました。

和実はゆっくり成長し、地域の小学校、中学校と通い、友達、先生、地域の人に愛され、この春高校生になり、寄宿舎生活を満喫しています。人の気持ちに敏感で、優しく、そしてユニーク。「いかにウケるか?」が彼のツボ。笑いをとったら得意げです。うまくおしゃべりはできませんが、字を書くことが大好きで、墨と筆で大きな紙に思い切り書き、書家のおじいちゃんと展覧会をしています。家では料理やケーキ作りを楽しみ、洗濯畳みも上手です。先に行ってドアを開けてくれるなど、なかなか紳士な一面も。

私たち家族に神様が託された和実 。だから成長させて下さるのも神様。人とは違う大変さと、人とは違う喜びや笑い。彼のおかげでどれだけ笑い、慰められてきたでしょう。
今は不安や戸惑いがあるかもしれません。必ず助けがあります。頼もしい先輩ママたちも全国にいます。赤ちゃんがつないでくれる出会いも沢山です。
赤ちゃんとご家族皆さんの日々が豊かに祝福されますようにお祈りしています。
月下あゆみ より

(北海道鹿追町)