はじめまして。
私の娘愛子は予定日より1ヶ月早く産まれてきました。産まれて数時間後、大きな病院に搬送される娘が乗る救急車を見送った時、まさか次の日NICUでたくさんの管に繋がれている姿を見る事になるとは想像もしていませんでした。
心臓に穴があり、ダウン症の疑いがあると告げられた事、前日に出産したばかりの私にとってあの時間はあまりに辛く、娘と離れ離れになった産院に戻った後はひとり涙が止まらず、携帯でダウン症の特徴を検索しては娘の写真と見比べ、ダウン症に当てはまらない部分を見つけようと必死でした。
そんな中、元気に産んであげられなかった事を悔やむ私に、無事に元気に産まれてきてくれて頑張って生きてるじゃないかという夫の言葉にハッとし、NICUでがんばって生きる娘の姿が目に浮かび、そこで初めて娘と向き合う勇気を持てました。

現在1歳2ヶ月の愛子は、成長スピードはゆっくりですが、名前を呼ぶと手を挙げたりバイバイしたり、できることもたくさんあります。
ひとつずつの成長と共に、今ではダウン症である事を強く意識する事なく自然体で子育てをできるようになりました。ダウン症の愛子ではなく、愛子は愛子。染色体が1本多いのは個性のひとつだと思える様になりました。
そして何より、ひとつひとつの成長に家族みんなで感動し喜び合えてきた事で、出来ない事を嘆くよりも、出来る事を心から喜ぶ事の大切さを教えてもらいました。

私は小さな町に住んでおり同じ境遇の方に出会う機会もなく、SNSでの出会いにも救われてきました。
似たような境遇を乗り越えてきたからこそ、自然と助け合い支え合い、お互いの子ども達の成長を見守り合える大きな輪。そして、明るい未来を想像させてくれる可愛いお子さん達がたくさんいます。産後の辛い時期、ダウン症の子の子育ては、出来ない事や失う事の方が多いと思っていましたがそれは大間違いで、幸せや喜び、新しい出会い、得られる事の方がずっとずっと多い事に気づかされます。
安心して大丈夫です。あなたのお子さんが一緒に見せてくれるこれからの世界には、たくさんの笑顔と希望があります。たとえ不安や悲しみを感じても、それをもすっぽりと包み込んでくれるような大きくて温かい幸せな世界です。
これからご家族のみなさんにたくさんの幸せが訪れることを願っています。あなたの赤ちゃんが産まれてきてくれた事に、心からのありがとうとおめでとうを込めて。
愛子の母より

(北海道余市町)